1979年活動を再開したブレッド&バターがシングル「あの頃のまま」をリリースしました。
作詞作曲はユーミン。
編曲は細野晴臣さんと松任谷正隆さんです。
この曲でユーミンは初めて「呉田軽穗」というペンネームを使いました。

ここでブレッド&バターについてご存知の方も多いとは思いますが、少しご紹介しておきましょう。
ブレッド&バターは、茅ヶ崎出身で“湘南サウンド”を代表する存在として現在まで活動を続けている1969年デビューの音楽グループです。
岩沢幸矢・岩沢二弓の兄弟によるデュオ。メンバー
- 岩沢幸矢(いわさわ さつや):1943年7月11日生まれ、ボーカル担当。兄。
- 岩沢二弓(いわさわ ふゆみ):1949年2月23日生まれ、ボーカル&ギター担当。弟。
父親は映画監督の岩沢庸徳。二人ともAB型で、湘南の海を感じさせるハーモニーと心地よいボーカルが特徴です。
シングル 「傷だらけの軽井沢」 でデビューしました。
1970年代には、彼らが経営したライブカフェ「BREAD & BUTTER」がミュージシャンの交流拠点となり、松任谷正隆・由実夫妻や南佳孝さんたちが集りました。
「マリエ」「ピンクシャドウ」などのヒットを発表。
茅ヶ崎を拠点に、海・風・青春をテーマにした楽曲で“湘南サウンド”の象徴的存在になりました。
ブレッド&バターの魅力はなんといっても兄弟ならではの透明感あるハーモニー。
海・風・青春を感じさせる湘南サウンドの象徴的な存在でした。
ユーミン、細野晴臣さん、井上陽水さん、スティーヴィー・ワンダーさん(!)らとの幅広い交流がありました。
時代を超えて愛される都会的で爽やかなAOR/シティポップ感が特徴です。
メンバーは前述の通り、岩沢兄弟。
岩沢幸矢(いわさわ さつや):1943年7月11日生まれ、ボーカル担当。兄。
岩沢二弓(いわさわ ふゆみ):1949年2月23日生まれ、ボーカル&ギター担当。弟。
父親は映画監督の岩沢庸徳さんです。
二人ともAB型で、幸矢さんはかに座なので、AB型でかに座の僕といっしょです。
1976年頃にいったん音楽活動を休止して茅ヶ崎で「カフェ・ブレッド&バター」を運営していましたが、1979年に活動を再開することになりました。
はじめは以前より親交があったスティーヴィー・ワンダーさんから提供された曲を歌う予定でしたが、直前で先方に曲を返却することになり、代わりにユーミンが「それなら私がかく」となったそうです。
ユーミンはこの時、松任谷由実ではなくペンネーム「呉田軽穗」で曲を提供しました。
名前の由来は女優「グレタ・ガルボ」です。
日本語読みをもじってつけました。
グレタ・ガルボさんはスウェーデン出身のハリウッド女優で“銀幕の女神” と呼ばれた伝説的存在です。
神秘的で孤高の美しさをもち、 ユーミンが強く惹かれたポイントでもあります。
無声映画からトーキー映画への移行期を代表するスターで、感情を抑えた演技で“静かな情念”を表現する独自のスタイルをもっていました。
プライベートをほとんど語らず、謎めいた存在感をはなち、36歳で突然引退し、二度と銀幕には戻ってきませんでした。



呉田軽穗というペンネームについてユーミンは
「自分のアルバムの曲と、提供曲を分けたかった」
と語っています。
“松任谷由実”としての世界観と、提供曲の世界観を区別するための名義として作られたのが呉田軽穂だったのですね。
呉田名義の曲はブレッド&バターをはじめとして、松田聖子さん、中原理恵さんなどへの提供曲に使われています。
曲によってか、相手によってかはわかりませんが、松任谷由実のまま提供することもあったようです。
「あの頃のまま」に話を戻すと、歌詞の主人公は“ブレッド&バター自身”をモデルにしたと言われています。
ユーミンは後年、
「茅ヶ崎でカフェをやっていた頃の二人の姿を重ねて書いた」
と語っています。
モラトリアム的に“青春を引きずる主人公”ときちんと社会に入っていく友人。
サイモン&ガーファンクルを聴いていた若い頃の記憶。
これらはすべて、ブレッド&バターの二人が実際に過ごしていた“湘南の時間”を反映したものだとユーミン自身が説明しています。
この曲、もちろん僕もシングルを買って何度も聞いていました。
ユーミンの曲として男性が主人公のものは珍しく、かつ自分とは違った道を歩む友人とのことを歌っており、より身近に感じられました。
もっとも、この曲が出たころは僕はまだ高校生で、この曲を本当に共感できるようになったのはその数年後です。
いまでも時々聞きたくなります。
細野晴臣氏と松任谷正隆氏によるアレンジ、前奏を聴いたとたんに、20代に自分に戻ったように感じます。
ユーミンは
「細野さんと正隆が組むなら、こういう曲が合う」
と考えて作曲したと言っています。
ユーミンが音楽誌で語った“アレンジ前提の作曲”という珍しいケースです。
ちなみにユーミン自身もかなりあとになって歌っています。
2003年12月17日に発売されたユーミン初のセルフカバー・アルバム“FACES(Yuming Compositions: FACES)”に収録されています。
男性目線の歌詞のままでユーミンの「あの頃のまま」もいいですよね。
これからもこの曲を聞き続けていきたいと思います。

最後におまけ。
ブレッド&バターの「あの頃のまま」は何度か再発されており、違うバージョンのジャケットがあるみたいです。


