NHK少年ドラマシリーズ
1972年1月1日、NHK製作による少年ドラマシリーズが始まりました。
総合テレビジョンで開始時は毎週土曜日18:05~18:35に放映されていました。
少年ドラマシリーズは主に小中学生向けのテレビドラマシリーズで「だから青春 泣き虫甲子園」まで99作品が放送されました。
タイム・トラベラー
少年ドラマシリーズの初回は「タイムトラベラー」で始まりました。
全6回。
原作は筒井康隆氏の「時をかける少女」。
鬼才筒井氏が子供向けに書いたSFジュブナイルです。
※SFジュブナイルとは、少年少女の日常に不思議な現象や科学的な異変が入り込む物語です。
ストーリーは中学3年生の芳山和子が理科準備室で嗅いだラベンダーの香りをきっかけに“時間移動能力”を得て、未来人ケン・ソゴルと出会い、別れに至るまでを描いています。
芳山和子役の主演の島田淳子さんはのちに浅野真由美に改名し、柳ジョージさんと結婚後芸能界から引退しています。
初々しい演技で和子役にぴったりはまっていました。
ケン・ソゴルは700年後からきた未来人で木下清さんが演じていました。
700年前の日本では深町一夫を名乗り、中学校に潜入しています。
木下清さんのデータはあまり残っていないのですが、細身のイケメンで、日本人離れした顔立ちもあって、未来人役に選ばれたと思われます。
ケン・ソゴルは未来に帰るために薬を調合するのですが、そのために必要な材料がラベンダーでした。

「タイム・トラベラー」は当時高価だったビデオテープを使っていたため、テープが使い回しされ、映像が保存されませんでした。
そのため、各話の詳しい内容がわかりません。
最終話のみ、個人が保存していた録画テープが提供されたため、2001年11月18日には『NHKアーカイブス』で放送され、同年にDVDも発売されました。
そのため、途中のストーリーはわかりませんが、最終回ではケン・ソゴルが未来に戻るため、芳山和子や事情を知っている周辺の人の記憶を消してしまいます。
芳山和子は嫌がりますが、記憶を消されると教室に戻っており、何もなかったように過ごします。
和子は深町一夫の家の前を通るとなぜか懐かしい気持ちに囚われます。
本当に記憶は全部消えたのでしょうか?
という終わり方です。
見ている視聴者は切なさを感じる終わり方でした。

放送当時僕は8歳でした。
たまたま両親の友人の家にお邪魔していた時に、その家の年上のお姉さんたちとこのドラマを見ました。
もともとSF大好き少年だったので、すっかり魅入られてしまいます。
その後毎週欠かさすことなく見ていました。
でも、まだ小さかったこともあり、映像が失われた部分はほとんど覚えていません。
鮮明に記憶に残っているのは冒頭の部分。
ドアがギィ~と開き、暗い部屋に座っている男性が語り始めます。
毎回、世界で起きた説明できない不思議な出来事を語って、ドラマに入る、という流れでした。
これがはじまるとワクワクしてテレビの前に釘付けになっています。

これはあくまでイメージです。
もっとシンプルな映像でしたけど。
語っていたのは城達也さん。
あの有名なラジオ番組「JET STREAM」のパーソナリティをしていた方で、そのイメージを崩さないために、顔が見えないようにしたという話もあります。
続編も
「タイム・トラベラー」は好評だったため、同年の終わりに「続 タイム・トラベラー」が放送されました。
この続編は筒井康隆氏ではなく、石山透氏により脚本が書かれ、のちにノヴェライズされました。
主人公と相手役は「タイム・トラベラー」と同じ2人です。
ケン・ソゴルが行方不明の3人の科学者を探しに過去に戻ってきて、和子の記憶を呼び覚まし、2人で科学者を捜す物語になっています。
残念ながらこちらも全部見ているのですが、詳しいストーリーは覚えていません。
少年ドラマシリーズはSFに限らず、ミステリー、コメディ、海外作品などバラエティ豊かな作品を提供してくれました。
小学校の低学年から中学生くらいまではほとんどの作品を見ています。
1973年度からは平日に移り、放送回数も増えたので、みんなのうた、少年ドラマシリーズ、人形劇をセットで夕方の楽しみになっていました。
「時をかける少女」が映画化。
1983年7月16日に角川春樹事務所製作、東映配給で映画「時をかける少女」が公開されました。
(ちなみにこの日は僕の20歳の誕生日。当時は公開日をよく知らなかったけど)
原田知世さんの初主演映画です。
原作は筒井康隆氏。
原作通りのタイトルで作られました。
監督は「ねらわれた学園」同様大林宣彦氏。
大林監督の「尾道三部作」の2作目と言われています。
主演の原田さんは第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、映画は28億円を記録して邦画では年間2位となっています。
あの透明感が半端ない10代の原田知世さんの主演で大林監督の角川映画なので当然と言えば当然ですけど。
しかし、原田さんはポスト薬師丸ひろ子としてオーディションに応募したことがきっかけで角川春樹氏の目にとまり、テレビドラマ「セーラー服と機関銃」、「ねらわれた学園」に主演したもののあまり人気が出ず、引退も視野に最後に映画の主演に据えられた状況だったようです。
確かにドラマの映像ではイマイチで僕も見ていません。
でも髪をショートにしてからイメージがガラッと変わりました。
映画は大林監督らしく、実験的な映像で尾道の風景が存分に生かされたものです。
そのため、「タイム・トラベラー」とはだいぶ雰囲気が異なり、僕はどちらかというと「タイム・トラベラー」のほうが好きです。
主題歌はユーミンの作詞作曲
「時をかける少女」の主題歌は原田知世さんが歌っています。
作詞作曲はユーミンこと松任谷由実さん。
ユーミンは原田さんの音域に合わせて1オクターブの中で曲を作った、と語っていました。
ユーミン自身もセルフカバーでアルバム「VOYAGER」に収録しています。
まとめ
「時をかける少女」は1997年、2010年(芳山和子の娘の話)に再映画化され、2006年には原作の20年後を描いたアニメ映画にもなっています。
少年時代の僕がワクワクして見ていた「タイム・トラベラー」。
原題の「時をかける少女」として何度も映像化され、本当に時をかけて愛される作品になっています。
それでは、また。




