ユーミン 第2次ブーム到来!。角川映画 「 ねらわれた学園 」( 薬師丸ひろ子 主演)主題歌 「 守ってあげたい 」

ユーミン

1981年6月21日、ユーミンがシングル「守ってあげたい」をリリースしました。

70年代ぽいジャケットですよね。
ユーミンはフラワーチルドレンのイメージで作ったみたいです。
フラワーチルドレン(Flower Children)」は、主に1960年代後半から70年代にかけて、アメリカを中心に「愛と平和」「反戦」を訴えたヒッピーたちのことです。
「守ってあげたい」はジャケットにもあるように角川映画「ねらわれた学園」の主題歌として作られました。
主演は当時角川が力を入れて売り出していた薬師丸ひろ子さん。
角川春樹氏は
「映画 × 主題歌 × 小説 × アイドル」
この4点セットで大ヒット映画を送り出していました。
その中で角川春樹氏はユーミンを都会的、若者の感情を代弁、映画の世界観を一瞬で伝える存在で「映画の空気を作れるアーティスト」として高く評価していました。
「ねらわれた学園」で角川春樹氏に直接主題歌を依頼されたユーミンが「守ってあげたい」を書き下ろしたのです。

「ねらわれた学園」はSF作家眉村卓氏の小説で、原作は少年視点のSFミステリーです。
映画では主人公が少女(薬師丸ひろ子さん)側の視点で描かれ、大林宣彦監督の演出もあり、少女の不安・揺らぎを中心とした心理的スリラーとなっていました。
大林監督といえば、独自の映像感覚で詩的映画を撮る唯一無二の存在です。
映画「ねらわれた学園」についてはまた別の機会に描きたいと思います。

「ねらわれた学園」の音楽は松任谷正隆氏が担当したこともあり、ユーミンの主題歌と相まって、映画全体のトーンが透明感のある都会的なサウンドで統一されています。

「守ってあげたい」は「星のルージュリアン」同様、ユーミンがサビの部分をファルセットで歌っています。
「星のルージュリアン」より無理のない歌い方をしている感じがします。
ユーミンは ザ・ラヴィン・スプーンフル「You Didn’t Have to Be So Nice」(アストラッド・ジルベルトのカバー)に触発されて歌詞を書いたと言われています。
本来はそのフレーズを使いたかったですが字余りのため、「You don’t have to worry」に変更したというエピソードがあります。

これがザ・ラヴィン・スプーンフル「You Didn’t Have to Be So Nice」。
日本版のタイトルはなぜか「うれしいあの娘」になっています。

「守ってあげたい」の歌詞は 「あなたを苦しめるすべてのことから守りたい」 という優しいメッセージで一貫しており、少女視点の映画との相乗効果で多くの女性の共感を得ました。
懐かしい夏の思い出(トンボを採ったり、レンゲを編んだり)を織り交ぜ、相手を励まし、夢を追いかける力を与えたい、力強い守護の愛情と、癒しの優しさが共存した歌詞で、多くの人が「心の支え」と感じる理由となっています。

映画は薬師丸ひろ子のアイドル的地位を決定づけ、 配給収入は 12.5億円 のヒットとなりましたが、「守ってあげたい」もオリコン最高2位・29週ランクイン、累計約69.5万枚の大ヒットとなりました。
ユーミンは荒井由実時代に「ルージュの伝言」のスマッシュヒット、「あの日に帰りたい」の大ヒットにより、ブームとなりましたが、結婚後は積極的にアルバムを発表し、高い評価を得たものの、セールスは少し落ち着いていました。
この「守ってあげたい」の大ヒットにより、再びユーミンブームが起きました。
TBS系「第1回日本作曲大賞」で大賞受賞。
ステージ上に登場したユーミンは、自身の弾き語りでこの曲を歌唱しました。
TBS系『ザ・ベストテン』にも1981年10月8日に1度だけ出演しました。
当時の番組としては珍しく、フルコーラスでの演奏、歌唱となっていました。
その時の司会はご存知黒柳徹子さんでしたが、黒柳さんはユーミンの衣装を見て
「ほんとにユニーク」(ほんとにの部分はもしかしたら違う言い方だったかも)
とおっしゃっていました。
ユーミンは「面白い」、「変わっている」ととったようで少し戸惑っているようにみえましたが、黒柳さんは「ユニーク」を唯一無二として使ったと思われ、最大限の誉め言葉だったと思っています。
そんなこんなでここからまたユーミンの大進撃がはじまり、松田聖子さんにも曲を書くようになるのですが、それらはまた別の機会にしたいと思います。
それでは、また。

【補足】
「守ってあげたい」はB面の「グレイス・スリックの肖像」とともに1981年11月1日に発売されたアルバム「昨晩お会いしましょう」に収録されています。