荒井由実のスマッシュヒット!「ルージュの伝言」。「魔女の宅急便」でもおなじみ。

ユーミン

シングル「ルージュの伝言」リリース

1975年2月20日、ユーミンがシングル「ルージュの伝言」をリリースしました。

ルージュの伝言

軽快なアメリカンポップス

♪あのひとの ママに会うために
♪今ひとり 列車に乗ったの
♪たそがれせまる 街並や車の流れ
♪横目で追い越して

♪あのひとは もう気づくころよ
♪バスルームに ルージュの伝言
♪浮気な恋を はやくあきらめないかぎり
♪家には帰らない

軽快なアメリカンポップスで、深刻になりそうな浮気の話をちょっとコミカルに描いています。
ユーミンはテレビ番組で、口紅で鏡にメッセージを書くアイデアは映画のワンシーンから得たと語っています。
「エリザベス・テーラーか誰かの映画のワンシーンが元。
でも歌の内容とは全然違うんですけどね」
口紅を「ルージュ」としているところがユーミンのセンス。
「口紅の伝言」だとイメージが全然違いますよね。

♪不安な気持ちを残したまま
♪街はDing-Dong
♪遠ざかってゆくわ

Ding-Dong遠ざかる、って。
「どんどん」ではなく「Ding-Dong」。
微妙なニュアンスも感じられながら、ポップなリズム感を醸し出しています。
それまでの荒井由実はどちらかというと10代の鬱屈した陰の部分が強かったように感じますが、「ルージュの伝言」は一転して明るいポップスとなっています。
もちろん、もう21歳にはなっていましたけど。
荒井由実初期の頃からのファンの中には受け入れがたい人たちもいたみたいです。
それはこの後に出る「COBALT HOUR」で明らかになりました。

特徴的なコーラス

全編にわたって入るコーラスが印象的ですが、アレンジをした松任谷正隆氏はツアーバンドのメンバーの要望に応え、レコーディングで演奏してもらったものの物足りず、ストリングスなどを加えても満足できずに山下達郎さんにコーラスアレンジをお願いしました。
そこで山下さんが大貫妙子さん、吉田美奈子さん、伊集加代子さんという豪華なメンバーを引き連れてコーラスを加えました。
特に男性は山下さんだけですので多重録音。
この頃から山下さんは半端なく凝っていたみたいですね。
正隆氏は後年、「ルージュの伝言が抜群のアメリカン・ポップスになったのは山下達郎の力が大きい」と公言しています。
オリコンの最高位は45位とまだまだでしたが、6.9万枚のスマッシュヒットとなりました。

収録アルバム

「ルージュの伝言」は荒井由実としてはB面の「何もきかないで」とともに、この年の6月20日に発売されたオリジナルアルバム「COBALT HOUR」と1976年6月20日に発売されたベストアルバム「Yuming Brand」に収録されています。

COBALT HOUR
Yuming Brand

大勢のアーティストによるカバー、映画の挿入歌に

さて、ポップなユーミンを印象づけた「ルージュの伝言」ですが、大勢のアーティストによってカバーされています。
岡崎友紀さん、手塚さとみさん、川島なお美さん、柴崎コウさん、木村カエラさんほか書ききれないほど。
また、平成元年には皆さんご存知のようにスタジオジブリ作品「魔女の宅急便」の物語の始まりのシーンで採用されました。

魔女の宅急便

宮崎駿監督がユーミンのファンであったことが大きいと思いますが、13歳の魔法使いの少女キキが自立していくシーンに強い内面を持つ積極的な女性の明るい曲を重ね合わせたのだと思います。
「魔女の宅急便」の原作は角野栄子さんの童話で1985年に初刊がでています。
僕もそのころに読んで知っていたのですが、宮崎駿監督が映像化すると聞いて驚きました。
しかも「ルージュの伝言」って、原作からは想像できませんでした。
でもジブリの「魔女の宅急便」はだいぶ話を膨らませた部分ありますが、思春期の少女の心の物語として広く受け入れられました。
ユーミンもうれしかったのではないでしょうか。

まとめ

70年代のユーミン・荒井由実の都会的センスと松任谷正隆氏のポップなアレンジ、山下達郎さんのコーラスアレンジが光るこの「ルージュの伝言」。
これからたびたび「恋の復讐劇」を描いていくユーミンの記念すべき作品とも言えます。
それではまた。

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