ニッサン スカイライン 2000GT-R
1968年7月18日に日産がスカイラインをモデルチェンジして発売したことをご紹介しました。(C10型)

「100マイルカー(160km/h巡航)」を目標に開発されたC10型ですが、1968年9月18日に2000GTが追加され、さらに1969年2月21日に2000GT-Rが追加されました。

ルーツは先代
2000GT-Rのルーツをたどると先代のプリンス スカイラインGTにたどり着きます。

「スカイラインGT(S54A-1 型)」は1964年5 月3 日の第2 回日本グランプリ「GT-II レース」での必勝を期してプリンス自工が製作したスペシャルマシンです。
当時GTカーの公認を取得するには同一車種を100台以上生産しなければならないという条件があったため、大急ぎで生産することになりました。
スカイライン1500(S50 型)のホイールベースを200mm 延長してグロリア用6 気筒・G7 型エンジンを搭載するという斬新な手法がとられました。
実戦用車両にはスポーツオプションのウェーバー3 連キャブ、5 速クロスミッション、ノンスリップデフ等が装着され、100台が生産されました。
レースは急遽出場を決めたポルシェ904 が勝利したものの、スカイラインGT は2 ~ 6 位を独占してその高性能を強く印象付けました。
それにより、「羊の皮を被った狼」という代名詞が生れました。
レース後、このモデルを求める声が高まり、出場車と同じウェーバー3 連キャブの125 馬力仕様の「2000GT(S54B-2型)」を1965年2 月にカタログモデルとして正式に発売しました。
「羊の皮を被った狼」を引き継ぐ
スカイラインが3代目になり、「羊の皮を被った狼」を引き継ぐ2000GT-Rが誕生しました。
登場時は4ドアセダンのみ。(PGC10型)
レース戦績で通算52勝の伝説の始まりです。





スペック(PGC10型)
■ エンジン(S20型:GT‑R専用)
- 形式:直列6気筒 DOHC 24バルブ
- 排気量:1,989 cc
- 最高出力:160 PS / 7,000 rpm
- 最大トルク:18.0 kgm / 5,600 rpm
- キャブレター:ソレックス40mm × 3連装
- ルーツ:R380レーシングカー用GR8型の技術を継承
→ 当時国産唯一の4バルブDOHC直6。 → 200km/hの最高速を誇る“化け物セダン”。
■ トランスミッション
- 5速マニュアル(GT‑R専用)
■ シャシー・サスペンション
- 前:ストラット
- 後:セミトレーリングアーム(独立懸架)
- 駆動方式:FR
- ブレーキ:前ディスク/後ドラム
■ 車体寸法(PGC10)
- 車重:1,100 kg前後(軽量化のため快適装備を削減)
- 全長:4,330 mm
- 全幅:1,655 mm
- 全高:1,370 mm
- ホイールベース:2,570 mm
伝説をつくる
PGC10型は1969年5月のJAFグランプリでデビューし、勝利しました。
1972年までに通算52勝という前人未到の記録と打ち立て、「負けるとニュースになる」とまで言われました。





スパルタンな純レーシング仕様で、ラジオ・ヒーター・助手席サンバイザーすらオプションでリクライニング無しのバケットシートを装備していました。
また、拡大されたトレッドに対応するため、リアホイールアーチをカットして上方へ拡大されています。
全てのガラスが、青色の熱線吸収タイプではなく、リヤ熱線デフォッガーやモール、ホイールキャップなどの装飾品も装備されないなど走りのために徹底的に削ぎ落とした軽量化設計となっていました。
直6DOHCの高回転フィール、3000rpm以上の鋭い吹け上がりなど当時の国産4ドア最速。
現代でも「速い」と言われるほどの完成度でした。
4ドアセダンでありながら、スポーツカーそのものの仕上がりになっていたのです。

ハードトップ2000GT-R追加
1970年10月5日、日産はスカイラインをマイナーチェンジするとともにハードトップ車を新設定しました。
2000GT-Rにもハードトップが追加されました。

ハードトップはホイールベースが70mm短縮され、リアホイールアーチにFRP製の黒いオーバーフェンダーを装着、フェンダーミラーを砲弾型からタルボ型に変更、フロントグリルがワンピースグリルと呼ばれる左右のヘッドライトとグリルがつながった形に変更されました。
ハードトップ2000GT-Rの登場により、セダン2000GT-Rは廃止されました。
セダン(PGC10型)とハードトップ(KPGC10型)の違い
| 項目 | PGC10(1969) | KPGC10(1970) |
|---|---|---|
| ボディ | 4ドアセダン | 2ドアハードトップ |
| ホイールベース | 2,570 mm | 2,450 mm(−70mm) |
| 重量 | 約1,100 kg | 約1,100 kg |
| オーバーフェンダー | 無し | 黒い純正オーバーフェンダー有り |
| 生産台数 | 832台 | 1,197台 |
| キャラクター | レース直結の“狼セダン” | ハコスカGT‑Rの象徴的スタイル |
ハードトップKPGC10型はより軽快で旋回性能が高いという特徴がありますが、セダンPGC10型は希少性が高く、近年は価値が逆転しつつあります。
中古車状況
PGC10(4ドアセダン)とKPGC10(2ドアハードトップ)は、生産台数が極めて少なく、クラシックカー市場で美術品級のプレミア価値がついています。
状態の良い個体は年々値上がり傾向で、レストア済みやマッチングナンバー(オリジナルエンジン)の極上車はさらに高額です。
相場概要(目安)
| モデル | 状態の目安 | 中古車相場(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| PGC10 (4ドアセダン) | 普通〜良品 レストア済み極上 | 500〜1,300万円 1,500〜4,000万円超 | 4ドアは2ドアよりやや安め。希少だが流通は2ドアより少ない |
| KPGC10 (2ドアハードトップ) | 普通〜良品 レストア済み極上 | 1,000〜1,800万円 2,000〜5,000万円超 | 2ドアの人気・希少性が高く、相場上位。オークションで2,800万円超の例あり |
- 平均相場傾向: 良質レストア車は全体で1,500〜3,000万円台が主流。極上ワンオーナーや完全マッチングナンバー車は4,000万円超も珍しくありません。
- 値上がり要因: 海外輸出需要(特にアメリカの25年ルール影響)、JDMクラシックブーム、部品供給難による希少性上昇。良好な個体はほとんど市場に出ず、非公開取引やオークション中心です。
現在の流通状況
- 流通台数: 非常に少ない状況です。
グーネット・カーセンサーなどで常時数台〜十数台程度しか出ておらず、本物証明付きの極上車はほぼ即決レベル。
※2026年6月時点:カーセンサーでPGC10型・6台、KPGC10型3~4台

- 主な販売形態:
- 専門店(旧車専門店、イオタガレージなど)のレストア済み車両。
- オークション(BHオークションなど)で高額落札例多数。
- 個人売買や非公開取引。
- 注意点:
- S20エンジンの部品枯渇・高額メンテナンス(エンジンオーバーホールだけで数百万円)。
- 修復歴ありやノーマル度が低い個体は大幅に安くなるが、投資価値が低下。
- 輸入車規制や輸出需要で国内在庫が減少し続けています。
- 実際の購入を考えている場合は、専門店での車両品質評価書付きや第三者機関の鑑定を強くおすすめします。
まとめ
ハコスカGT‑Rは歴史的価値が非常に高いモデルです。
この後も日産はGT-Rを作っていきますが、ケンメリGT-Rは数ヶ月で中断されます。
16年後にR32型で復活し、全部で2世代・5代にわたって開発、生産、販売されました。
2007年にGT-Rは復活しますが、スカイラインの名前ははずれ、日産GT-Rとなっています。
それも昨年2026年には生産を終了しています。
日産はGT-Rを復活させるため頑張っていますが、ファンとしては「スカイラインGT-R」として復活してほしい気持ちも強いように思います。
いつものおまけ・現代に蘇らせたら
ということでハコスカGT-R(ハードトップ)をAI君に現代に蘇らせてもらいました。

ハコスカの特徴をつかんでますね。
室内もいい感じかも。



市販は無理でもジャパンモビリティショーにこんなモデルを出してくれたら、ファンは泣いて喜ぶかもしれませんね。
それでは、また!






